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(東京ミッドタウン
日比谷)

Project Story X-BASE SHIBUYA
クロスベース渋谷

建物に新たな価値を吹き込み
渋谷区松濤に新しい日常と
人の流れをデザインする

Outline

東京都渋谷区松濤に、自社ビルとして使われていた一棟の建物がありました。その物件を取得し、セットアップオフィスとして生まれ変わらせたプロジェクトが「X-BASE SHIBUYA(クロスベース渋谷)」です。取得から開業まで約1年。異なるバックグラウンドを持つメンバーが集まり、壁にぶつかりながらも走り抜けた日々を、3人の視点で振り返ります。

物件紹介

クロスベース渋谷X-BASE SHIBUYA

建物全体をフルリノベーションすることでバリエーション豊かな空間を生み出したセットアップオフィス(内装や一部家具があらかじめ整ったオフィス)。エントランスのオープンスペースにはカウンターやワークスペース、地下には吹き抜けを設けた開放感のある入居者専用ラウンジを新設、テナント同士のコラボレーションも意識した。

所在地 東京都渋谷区松濤2-15-13
開業 2026年1月
敷地面積 約3,335㎡
延床面積 約5,538㎡
階数 地上6階、地下1階
主要用途 事務所

Profile

F.M.

F.M.

開発企画部

2023年キャリア入社。前職ではマンションの用地仕入れや事業推進に従事。本プロジェクトでは取得の検討段階から参画し、「何を、いくらで、どう作るか」を決めるプロジェクト全体の「かじ取り役」を務めた。

M.Y.

M.Y.

開発企画部

2017年新卒入社。入社後は人事部で採用や制度設計を担当。2025年に開発企画部へ異動し、商品企画の段階から本プロジェクトに参画。デザイナーや施工会社との打ち合わせや、内装デザインの仕様決定、工事の進捗管理や収支管理を担った。

M.K.

M.K.

運営一部

2025年キャリア入社。総合不動産デベロッパーおよび外資系不動産サービスプロバイダーにおいて、オフィスリーシング(テナント誘致業務)、ビル運営、不動産ソリューション業務等に従事。本プロジェクトのリーシング業務を担当し、関係者と連携しながら開業時の高稼働を実現した。

※各プロフィールはプロジェクト当時

開業までの流れ

01

物件取得・事業構想

物件の取得にあたり、事業の方向性を検討。

F.M. プロジェクトに参加

02

商品企画・設計

デザイナー・施工会社等を選定し、具体的な商品企画を推進。

M.Y. プロジェクトに参加

03

施工・リーシング

仕様・コストを調整し、工事に着手。同時にテナントリーシングも開始。

M.K. プロジェクトに参加

04

開業

物件取得から約1年での開業を実現。

プロジェクトの始まり

「建物を活かす」選択。
企画力で導いた事業機会

F.M. もともとこの建物は、トヨタグループの企業が自社ビルとして使っていました。トヨタ不動産は、トヨタグループの貴重な資産を引き受け、新しい事業に育てるチャンスだと考え、取得に向けて取り組みました。トヨタグループの物件だからといって特別扱いされるわけではなく、デベロッパーとしてどれだけ事業性を高め、この物件が持つポテンシャルを引き出せるかが求められました。また、どのような事業であればこの場所の価値を最大化できるのか、その方法を必死に考えました。
M.Y. F.M.さんが取り組んでいた時、私はまだ人事部に所属していたので、まさか自分が担当になるとは思ってもいませんでした(笑)。M.K.さんは入社前でしたよね。
M.K. そうですね。私は当時から不動産業界にいたため、この売買は耳にしていました。松濤は渋谷区内でも住宅街としてのイメージが強いエリアです。その物件をトヨタ不動産が取得したと聞いた時は意外でしたし、「どのような考えでこの物件に取り組むのだろう」と興味を持ったことをよく覚えています。
F.M. 松濤は高級住宅街なので、マンション用地として活用することが一般的な考えですが、近年は建築費がかなり上がっていて、「壊して建て直す」よりも建物を活かすリノベーションの方が事業コストを抑えられると考えました。さらにセットアップオフィスなら入居者様の初期費用が少なくて済みます。オフィス需要の高い渋谷エリアでありながら閑静な環境を活かしたオフィス、しかもリノベーションで内装付きである点は、これまでにないアプローチになると考えました。結果として物件を取得できたことは、チームとして大きな自信になりました。

手探りの設計と施工

リノベーションの「想定外」を
新たな価値創造のチャンスに転換

F.M. このプロジェクトの企画上のポイントはいくつかありますが、特にこだわったのは1階・地下1階ラウンジに吹き抜けを新設したことと、車路だった部分を増築したこと、周辺環境と調和する外観デザインの3点です。1階・地下1階を繋ぐ吹き抜け階段は地下にも開放感を生み出し、共用フロアとしての魅力を高めました。また、もともと松涛文化村ストリートに面していた車路に増築を行ったことで、店舗区画が街に開かれ、通りに賑わいが広がる計画にすることができました。外観についても、松濤の落ち着いた街並みに溶け込むようなデザインを意識しています。
M.Y. 私がこのプロジェクトに加わったのは、リノベーションの企画設計に着手したタイミングです。ただ、私はそれまで人事部での経験しかなく、不動産事業はまったくの未経験でした。打ち合わせで飛び交う用語をひとつずつ調べながら、「今何を議論しているのか」を必死に掴む毎日でした。
F.M. 実はこの規模のリノベーションは当社にとっても経験が少なく、M.Y.さんを含むチーム全員が手探りでした。そのため、設計・運営・マーケティングなど様々な分野の社内外の関係者と密に連携しながら、お客様に選ばれる魅力的な空間づくりと物件としての価値向上の両立を目指し、プロジェクトを推進しました。
M.Y. 目に見えにくいところで苦労したことは、法規制とデザインの両立です。例えば、火災時に安全に避難できるよう、一部屋の面積に上限があるのですが、壁を10cm動かしただけで上限を超えてしまうこともありました。デザイナーや施工会社と何度も議論を重ねながら、法規制を遵守しつつ、入居者様の使い勝手が良い自然なレイアウトを追求しました。
F.M. もうひとつ大きな論点がありました。それは「オフィス区画の広さをどう設定するか」です。セットアップオフィスには主流といわれるサイズがあるのですが、渋谷駅から徒歩約10分という立地にそのまま当てはめてよいのだろうか、もっと小さくすべきか、逆に広い区画の方がニーズはあるのか、など周辺のオフィス需要について外部からもアドバイスをいただきながら、マーケット調査と法規制をもとに最適なバランスを探っていきました。新築なら図面通りに建てればいいけれど、リノベーションはフタを開けてみると異なる部分もあったりして、正直「いっそ新築の方が楽だったかも」と思う瞬間もありましたね……。
M.Y. 確かにそうでしたね。工事に遅れが生じた時は、施工会社と「どこが遅れているか、どうすれば取り戻せるか」を話し合い、ひとつずつ着実に積み上げて完成を目指しました。
F.M. この時期は並行して、セットアップオフィスの事例も見学し、設計の考え方や設備のグレード、空間の使い方などを自分たちの目で確かめていきました。多くの先行事例から学び、自分たちなりの答えを手探りで形にしていった時期で、頭を悩ませることもありましたが、やりがいもありました。

リーシングでの確かな手応え

建物のコンセプト・魅力に
共感いただいた
お客様からの反響

M.K. 入社してすぐ、2025年の夏からテナント誘致(リーシング)を始めました。当時は社内外ともにプロジェクトが走り始めた段階で、リーシングも仲介会社をはじめ外部の協力も仰ぎながら進めていきました。リーシング活動を進める中で、仲介会社やお客様からの関心や問い合わせは着実に増えていきましたが、当時はまだ工事中で、実際の空間を見ていただくことができない時には歯がゆさを感じることもありました。
F.M. 社内の進捗共有の場で、リーシングの状況や検討企業からの反応についてはM.K.さんからも伺っていました。自分たちはとにかくいい建物を仕上げることに集中しようと取り組んでいましたね。
M.K. 開業を約1カ月後に控え、内装が仕上がって実際に空間をご案内できるようになると、反響は一段と高まりました。図面や資料だけでは伝わりにくかった空間の雰囲気や共用部の魅力、セットアップオフィスとしての使いやすさを実際に体感いただけるようになり、具体的な商談が一気に進みました。ご案内後すぐに前向きなご判断をいただくケースも多く、同じ区画に複数のお申込みをいただくこともありました。年末の竣工を経て、翌月末にはほぼ全区画のテナントが決定しました。
M.Y. 加速度的に入居が決まり、私たちが試行錯誤して計画した建物が評価いただけたことを実感した瞬間でしたね。
M.K. 私がテナント誘致で一番大事にしたことは、「とにかく空室を埋める」のではなく、この建物にふさわしい企業に入っていただくことです。オフィスの賃貸は契約がゴールではなくて、入居してからが本当のお付き合いの始まりだと思うんです。短期的な成約だけを優先するのではなく、5年、10年と長期的に良好な関係を築いていけるパートナーかどうか、もっといえば、「X-BASE SHIBUYA」の価値を一緒に育てていけるような企業に入居いただくことを意識しました。

開業、そして反響

「リノベーションでここまで
やるのか」。
完成後に得られた評価と達成感

M.K. 開業後に関係者向けの内覧会を開いたのですが、反響は想像以上に大きかったです。「部分的なリノベーションは見たことがあるけど、ここまで一体感のある建物全体のリノベーションは珍しい」という声を多数いただきました。半年以上経った今でも見学の依頼が続いています。
M.Y. 吹き抜け階段を実現する難しさを知っている同じ業界の方が、地下1階のラウンジに足を踏み入れた瞬間に「これはすごいね」と仰っていました。設計段階で苦労した部分を同業の方にも認めていただけたことは、本当に嬉しかったですね。
F.M. もともとこの建物を自社ビルとして利用されていたグループ会社の方が見に来られ、「あのビルがこうなるのか」と驚いてくれたことも印象的でした。リノベーション前の状態を知っている人ほど、ギャップが大きかったようです。
M.Y. 私も取得直後の空室状態を何度も見に行っていたので、とてもよくわかります。以前は会議室など小さく区画された部屋も多かった印象でした。それが今、明るく開放的な空間に変わっている様子を見ると、よくここまでリノベーションできたなと感慨深いです。
F.M. 取得から開業まで約1年。新築なら2〜3年かかる規模のプロジェクトを、ぎゅっと凝縮してやり切りました。開業日に全フロアを歩いた時、「やって良かった」という想いが込み上げてきました。

トヨタ不動産の魅力

長期目線で
「まちにとっての最善」を。
拡大期だからこそ、
自身の培った経験が活きる

M.K. 実は私が当社に興味を持ったきっかけは、まさにこのプロジェクトなんです。この物件を取得した「トヨタ不動産」という会社を調べてみると、トヨタグループの会社で、大型の開発案件をいくつも動かしながら急速に事業を広げている最中であることを知りました。トヨタグループが不動産事業に本格的に取り組み、事業領域を広げていることに大きな可能性を感じました。
F.M. M.K.さんにとっては、入社前から思い入れのある物件だったんですね。
M.K. そうなんです。だから担当が決まった時は嬉しかったですね。実際にトヨタ不動産で働いてみて一番感じたのは、この会社が「目先の利益」ではなく「街にとっての最善」を本気で考えているということ。例えば「X-BASE SHIBUYA」でも1階にベーカリーカフェを誘致しましたね。オフィスにした方が収益効率は高いかもしれないけれど、地域の方々がふらっと立ち寄れる場所を提供する方が、街やビルの価値が上がるという判断からなんです。
M.Y. カフェがオープンしたら、地元の子どもたちがパンを買いに来てくれるかもしれない。建物の入居者様だけでなく、周辺にどんな変化が起きるかまで想像しての計画ですよね。
F.M. 周辺の配慮に関しては、各階のテラスの話もそうですね。今回リノベーションをするにあたり、近隣住宅の代表の方へプライバシー対策を施した上で使用することをご説明に伺いました。自分たちの物件さえ良ければいいのではなく、周辺と共存して初めて価値が成り立つ、それがトヨタ不動産の仕事の仕方であり、面白いところだと思います。
M.Y. あと、トヨタ不動産は売却を前提としない長期保有のプロジェクトを基本としています。「良いと思えるものを追求し、長期的に価値を提供できる」その柔軟性は、当社ならではですね。
M.K. トヨタ不動産はデベロッパーとしてはまだ若い会社です。裏を返せば、一人ひとりの裁量がとても大きいんです。私も入社直後にこのプロジェクトを任されましたが、その期待に応えたいという気持ちが、自分の力を引き出してくれました。これまで培った経験や知見を活かしながら、より主体的に挑戦したい方には、やりがいのある環境だと思います。
F.M. このプロジェクトは、当社としても前例の少ない挑戦でした。だからこそ、設計・施工・運営・マーケティングなど、社内外の多くのプロフェッショナルと協業しながら、それぞれの知見を持ち寄ってプロジェクトを形にしていきました。そうした挑戦の中では、これまでのキャリアで培った経験や知識が、思わぬ場面で活きることがあります。何が武器になるかはやってみないとわかりませんが、当社には、様々なバックグラウンドを持つ人がそれぞれの強みを発揮できる環境があると思います。
M.Y. 1年前は採用面接をしていた自分が、今は物件のプロジェクトを推進しているように、ジョブローテーションで経験できる仕事の幅の広さも、トヨタ不動産の特徴のひとつです。当社は他社と組みながら大型の開発案件にも取り組んでいます。社員一人ひとりが様々な経験を積みながら、会社の事業も成長し、飛躍していく。そういう未来を一緒に描ける仲間に来ていただけたら嬉しいです。